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「どういうことだ……等と言われてもこんなこと予想できるわけあるかァ!ガキの二人がコンテナの天井を突き破って脱出するなど……」
「二人……?どういうことだぁ、攫ってくる物は『磯貝七海』一人だけだっただろう?」
「邪魔をしてきたガキがいたんだ!こいつはついでに始末しておいてもらおうと……」
それを聞いた瞬間、迷彩服の男は隠すことなく舌を打った。道端の石ころにダイヤか金が混じっているような確率ではある――が、一つの可能性を思いついて彼らのバカさ加減に腹をたて拳を握った。
「やってくれたなぁ、貴様等――」
「待て、不可抗力だ!!」
「お前らは最悪のハズレくじを引いたんだよ。本当に不運だなぁ……アタリを引く確率の方がまだ何倍も高かっただろうに――ッ」
男が喋り終えた瞬間に空気が凍りつく――それを感じた黒服の男の内の一人はすかさず榴弾を投げつけていた。榴弾は男の頭上にまで放り上げられて炸裂する。
「ん――?」
炸裂した榴弾の内側から放たれたのは大量の煙。開放された煙は一気に広がり、男達を包み込んだ。直ぐにバタバタと自分の横を過ぎ去っていく足音が男には聞こえていたが特に動くことはなく、ただ一言だけ呟いた。
「やれ、ミューラー」
――
――――
「何の音だ!?」
身を隠す海翔達にも音が届いた。何が起こったのかを自分の目で確かめるために海翔が堤防から頭の先を堤防から少し出す。見えたのは白い煙幕とそこから飛び出てくる男達が車の中にまで飛びこむところ……そして、車の中から重火器を取り出したところ――
「不味い……伏せろッ!」
「え――」
灯台の前方にはもう一人の迷彩服の男が佇んでおり、黒服の男たちの手に握られていたのはパッと見て分かるだけでも機関銃とRPGランチャーが複数丁持ち出されてた――そこまで見て海翔は七海を庇うように覆いかぶさる。
いったいどこに喧嘩を売るつもりでいたのかと尋ねたくなるような重装備の数々、それらが一斉に火を噴いた。弾幕とそれに混じって飛んでいく爆薬の礫、直撃すれば人一人を文字通りに消し去るのは容易だろう。
「キャッ!?」
海翔が七海に覆いかぶさり地に伏せる。その際に七海が悲鳴を漏らしたが同時に轟いた爆音にそれは殆どかき消された。地に伏せた後も銃弾は吐き出され続け、爆薬の礫が爆炎と黒煙を撒き散らし続けていく。
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