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さっきの事を思い出す、彼女の不安そうな顔を見て強がってしまったこと。
「でも……だけど……ッ」
「大丈夫……ッ」
口でいくら『だいじょうぶ』と言っても無駄だと悟った。だから、さっきのように強がってみようと力を振り絞って足に力を込める。
新たなチカラの反動で体中が軋むがそれを彼女に悟られない様に声を出しそうなこと、顔をしかめそうになるのも堪えて立ち上がる。しかし、七海は泣き止んでくれない「ごめんなさい……ごめんなさい……」と唱え続けている。
だが、海翔は別に誤って欲しいわけではない。謝られる必要だってない。悲痛な声で謝罪を続けるその姿は見ていると胸が苦しくなってくるだけだ。
「泣き止んで、今はここから離れないと――」
「わたしは……わたしは……」
一度強引に話を打ち切り、もう一度ドライバーを起動させて七海の後ろに着いてきていたマシンに手を置く。
「手伝って……今の俺だけじゃ無理そう。跳ぶのを手伝ってくれないかな?」
≪キュー≫
「助かる……こっちに……」
「わたし……これ以上、迷惑は」
自責の念が海翔に助けてもらうのを七海に躊躇わせるのか――それは不必要な事だし論理的でもない。だが、論理的な説得はする前から諦めてサッと駆け寄って手首を掴み取る。
「え――」
「……ごめんね」
突然のことに七海が気を取られた隙に海翔はドライバーを起動して謝罪の言葉を重ねた。次の瞬間に青い波動は七海とマシンごと包み込み。ウエイブに変身した姿が露わになるより先に青い球体を形作り、そのまま空へと打ちあがっていった。
――
――――
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