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「あの……どうか、やさしく――」
許しを意味する言葉に海花はゆっくりと七海の身体を押し倒した。そして、今一度その身体を見つめなおした。
「きれい」
「そ、そんな恥ずか……ゃん――」
七海の言葉を遮って唇が押し付けられ更に身体も押し重ねて手を七海の――
「ちょっと待てェェェェ!!!」
「ひゃッ!!」
そこで、大声と共に海花は我に返った。その際に出た大声で七海は跳びあがっていた。
「落ち着け……落ち着け、アタシ――」
今のは全て海花の妄想――現実では指一本すら触れていない。海花の頭の中で濃厚なキスをかわし、快感に蕩けて恍惚な表情をうかべあられもない姿を晒していた七海は現実ではキョトンとした表情を浮かべている。
そしてそのある種の無垢と淫靡を併せ持った姿も朝見た夢が昼にはおぼろげになっている様に薄れている。ただ、生まれたままの姿での足を閉じて下腹部と胸部を上手く手で隠して女の子座りをしている姿はそれはそれで刺激的だったが。
「あぅ……」
そして、鼻の辺りの力が緩み熱いく滴るものを感じて思わず鼻を抑えた。そっと目を移すと赤いものが滴っているのが見える
「あ、あの……大丈夫ですか?」
心配になったのか七海は海花へと身体を隠して身を寄せる。だが、海花から見れば腕が胸の先端を隠しているがその外圧で十分な膨みのある胸が寄せあげられるの見せつけられる――ただでもショック状態の精神には刺激が強すぎたのか、自制心が揺らぎ崩れ落ちるのを海花は感じた。
「ご、ごめんなさーい!!」
そして、一言謝罪を置いてから逃げ出すように七海は洗面所から出て行った。
「あ……」
ポツンと七海は取り残され、あられもない今の自分の姿をどうしようかと考えて、ら海翔の置き土産のバスタオルを広げて身体の水分を拭き取りはじめた。
「うっ……」
頭と身体の水分を拭き取ってから、海翔が持ってきた下着類を手に取る。だが、他人の物の下着類となると自分が履いていいものかと疑念が浮かび上がりしばらくはこうしておこうと手を付けずにバスタオルを肩の上から被せてその場に座り込むのだった。
――――
――――――
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