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どうしよう、困ったな 呼び出されちゃったから願いを叶えるまで帰れないし… 「ねぇ!? 聞いてる?」 う~ん、怖がると思ったから帰ってくださいっていう願いを叶えようと思ったのに。 今考えてるから服引っ張んないでよ。 でも、「それが?」で済まされちゃったし…。 本当に困ったな。 もう誰、服の裾引っ張るのは。 「ねぇってば!!」 「もう、何するの。 今考え事してるんだから。」 「だから、あなたの名前は!?」 そう彼女に聞かれて私はキョトンとなった。 私、誰かに名前聞かれたの初めてだ。 「わ、私はその…、ハデス。 冥王ハデス、…たぶん。」 自信はなかった、今まで誰にも名前を呼ばれたことなんてなかったし、名乗った事なんてない。ただ、人間が冥王の事をハデスと呼んでいた気がする。 彼女は少し悩んで「それって通称なんじゃない?」と言った。 じゃあ、私は誰?
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