7/8
前へ
/13ページ
次へ
私があたふたしていると、彼女はわざとらしくため息をつき口を開いた。 「あんたじゃなくてサ・ク・ラ。それがあたしの名前、ほら言ってみて。」 うっ、そんなこと言われたってどうしていいかわかんないじゃん。 「…サクラ……さん。」 私は目をそらしながらたどたどしく彼女の名前を呼んでみる。 「もう、人と喋る時は相手の目を見ないと。 それに友達だもん呼び捨てでいいよ。」 そう言って人懐っこく笑った彼女の顔を見て私は一瞬、もう少しだけでいいからこの子のそばに居たいと思った。 でも そんな事私に願う資格なんて 無い
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加