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それからクロは時々、この公園に来て僕と遊ぶようになった。
太陽が出ていて暖かくて明るい日に見たクロは、真っ黒な毛がつやつやしていて少し膨らんだお腹とお尻には長く伸びた尻尾が付いていて、羨ましく思った。
そんなことを思いながら眺めていたら、クロは僕と遊ぶのを止めてコンビニの方に歩いて行った。
少し寂しく思っていると、ガタンと何か大きな物が倒れるような音が聞こえてきた。コンビニの方にはごみ箱みたいな大きな物が倒れていて、横にちょこんとクロが座っているのが見えた。
それから直ぐに
「また、来たのかい?ほら、今日のご飯だよ」
と言う、男の人の低い声がほんの少しだけ聞こえた。僕は音には敏感みたいだ。
クロはご飯を貰いに行ったんだね。僕は少し前に空からお水を沢山貰ったからお腹はまだ空いてなかった。
明るい時間だからかな、小さな男の子や大きな女の人で公園は賑わっていた。でも、誰も僕の所には来てくれない。
早くクロが戻って来ないかなぁ…。
そう思っていた矢先
「じゃあな、クロ助」
と、さっきの男の人の声が聞こえてクロが口に何かくわえて、公園に戻って来るのが見えた。
やった、戻って来てくれた!
もっと、クロと遊べるのが嬉しくて僕は隣の草に当たるのも気にせずに、いっぱい揺れた。
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