■始まり■

4/23
前へ
/23ページ
次へ
『ねぇ、ねぇ、ルイス! あたしねぇ~、さっきのファミレスで座ってた時に、何かルイスの後ろの席に座って居た、変な男がさ。 じぃ~~っと、こっちの方を見ていた事を思い出したんだ。 それでね! その変な男、何の真似か知らないけど……。 目を瞑ったまま、ルイスの方に向かって、手を合わせて何かブツブツと独り言を呟きながら、まるで、祈りでも捧げているみたいにしていたんだよ! ねぇ! 気味悪い話でしょ? 多分ルイスは……全く気付いていなかったと思うけど……。 とにかく、あの男、絶対に変だよ! 変っ!! あたし、其の事、今思い出して……何かゾッとして来ちゃったよ……』 それで、運転中に、其の話を聞いた自分は、彼女に―― 『えっ? マジで、そんな変な奴が俺の後ろに居たの? 』と、聞き返している。 それから、数分後……彼女の住んでいるアパート近く迄、車を走らせた自分は、そこで車を一旦停車させ、一言『着いたよ! 』と言って、彼女のカエデを車から降ろす。 車から降りたカエデが『今日は、ありがとね! 私、ルイスのおかげで、元気が出たし、仕事頑張るよ! だから、ルイスも仕事の方、大変だろうけど頑張ってね! それじゃあ、明日また、必ずメールするね! 』と言って、自分の目の前から、彼女のカエデは、自宅へと向かって歩き去って行った。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加