外れの人形師

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小屋の側に来ると 疑問のせいか歩みを止めていた その時だった 一人の少女が 小屋の向こうの茂みから こちらを見ているではないか 私は少女に見入っていると 少女は怯えたように 茂みの奥へと消えていった 私は届くわけがないのに そちらへ手を伸ばしていた その姿が 私の求めている〔物〕であるかは 目が悪いので分からなかった 小屋の扉が開くと男の声がした 少し煩わしさを込めた声音 「さっさと戻ってこないか、もうすぐ客が来るんだから」
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