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「あっ、どうやら次は蓮姉さんの話らしいぜ。静かにしてないと、どんな事を仕出かすか分からねえからな」
「それぐらい承知の中よ。蓮さんの恐さはこの中で知ってるのは私ら二人だけ。アンタも静かにしてなさいよ」
「わーてる」
イリアは蓮姉さんの事を『蓮さん』と呼んでいる。
その蓮さんが檀の上に上がり、設置されたマイクの前に立った。
八色 蓮――如月武術探偵学院の卒業生であり、2年前にこの学院の学院長に就任。
何でも――あの性格の割には――この学院の信頼度をも上げた人物でもある。
そんな御方が、マイクスタンドからマイクを取り出し、口に近付けて口を開いた。
『あー、如月武術探偵学院(第130代)新入生の諸君。先ずは入学おめでとさん』
彼女の声が第一体育館全体に響き渡る。
こういう事に関してはかなり真面目にやるんだから……。
――何時も真面目だけど。
『私の名は、八色 蓮だ。覚えといても覚えなくても良い。ただ、「学院長」と呼んでくれないと、お姉さん銃を突き付けるからな♪
そんなに長くは喋らないから気を休めてくれ。
さて、如月武術探偵学院は皆も知っているように様々な国から此処へ入学して来た生徒も居る。だから、仲良くするように。
もし、彼ら彼女らと“チーム”として組む時があるならば信頼関係も必要となり、協力しなければならないからな』
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