12人が本棚に入れています
本棚に追加
「う~む、この日には持って来いの天気だな」
「…そうですね…」
何時とは違うテンションの低さで、合いの手を打った。
こういう日は嫌だだからだ。
「で、そんな天気をお前はどういう風に見てるんだかな」
隣の女性は、独り言のようにそう呟いたのだが、これは返答しなきゃならない。
「あんな透き通ってる青い空のように、俺も成りたいな…っと思って」
「ふっ、妄言だな」
「……………」
俺の返答を嘲笑うが如く、目を瞑りながら微笑しやがった。
(訊いておいて、それはねぇよ)
「んで、俺に何の用?蓮姉さん」
さて、本題に入れるがこの女性の名は、八色 蓮。
蓮と書いて、「はす」と読み。
そして、八色と書いて「やくさ」と読む――これは昔の読み方だ。
俺は「蓮姉さん」と呼んでいる通り、彼女は俺の姉的存在。
産まれた時から親が居なかった俺を、彼女は引き取り、自分の息子のように、弟のように可愛がってくれた。
どちらかって言うと、やっぱり姉って云う感じが強かったからそう呼んでいるだけ何だけど。
見た目からはカッコ良く、優しそうなお姉さんって感じはするけど……、彼女は人から別名でこう呼ばれている。
【悪魔でも、鬼でもある女】と……。
理由は……、まぁ後々分かる事になるのさ。
最初のコメントを投稿しよう!