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「入学式…か。はぁ~……」
小学校や中学校の入学式で退屈してしまった記憶をも思い出して、また更に憂鬱な気分となってしまう俺である。
「っと、私もボーっとしている暇も無いな。そろそろ入学式が始まる時間になるから、サッサと第一体育館へと向かいなよ」
それにトドメを刺すかのように悪魔の囁きが聞こえた。
(俺の事を殺す気かい、蓮姉さん)
そんな思いは彼女には聞こえないだろう。
「もし、入学式に顔出さなければ……分かるだろ?」
――前言撤回。
蓮姉さんは俺の心の声を聞きました。
コツッと、頭に小さな金属音が聞こえた。
横目で見ると、蓮姉さんがニコニコと笑顔で片手で持ったハンドガンを側頭部に突き付けていた。
…ここは素直に言う事を聴こう。
「はぁ~、分かった」
「あ?敬語はどうした?」
更にハンドガンの銃口を側頭部に押し付けられる。
ホント、無茶苦茶ですよ。
(けど、こういう時は言う事訊いた方が身のためだし…)
こういう状態、蓮姉さんの言う事は訊いた方が良い。
事実、既にスライドは引かれ、ハンマーが下ろされている。
何時でも頭に穴を空けさせられる状態だった。
「分かりました。分かりましたよ。この私、笹倉 一葉は入学式に顔を出します」
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