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「扉の小窓から頭が見えてんの。待ってんだから早く開けろって。待ちきれなくなった俺が恥ずかしいだろ?」
コツンと私の頭を軽く小突くお兄さん。
今目の前で起きた状況についていけなくて、私は化石みたいに固まったまま。
「こーら。さらに無視するな。とりあえず入れよ」
そう言って、クイッと私の手を引くと体を引き寄せられて、後ろの扉をガチャンと閉められた。
どうやら高校の教室は鍵がかかるらしい。
って、鍵!?
「お兄さんっ。鍵までするの??」
「オイオイ。第一声がそれかよ」
ため息をつくお兄さん。
それに私も、ようやく二人で居た時の空気を思いだしてプハッと笑った。
「ごめんなさいっ。開けて居なかったらと思ったら、恐くて開けらんなかった」
「約束、しただろ? 俺破る奴に見える?」
「そ、そんなんじゃないけど……」
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