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 「え……?」  「いいから」  来い来いと手招きするお兄さん。    ドキドキする心臓も赤くなる顔も止められないままゆっくり近づくと、お兄さんの足の間に立った。  座ってるから、少しだけ顔が上にあるだけで、ほぼ同じ目線。  そっと包むように私の腰のあたりに両手を回すと、お兄さんは顔を前に傾けてコツンと私の額に額をくっつけた。  「ひゃうっ」  「ククッ」    突然の行動にビックリして変な声を上げる私。  一々反応の大きい私にお兄さんは小さく笑った。  「も、笑わなくったってっっ」  拗ねて言いながら目線を少し上に向ける。  するとすごく至近距離にお兄さんの目が合って、私はさらにドキドキした。  心臓が、壊れそう――――
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