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「池波琴莉さん。僕と付き合ってくれませんか?」
優しく、囁くように耳元でそう告白してくれた。
夢にまで見た、言葉。
いつかそう言ってくれたら、いいなって。
何度も何度も想像した。
その度に苦しくなって、私は勉強するしかなかった。
それなのに、その夢が現実としてある。
あまりの嬉しさに、さっきは耐えた涙が零れた。
「わ、たし。中学卒業、したばっか、だよ? いいの? こんなお子様で」
言いたくもない事実を言う。
すると
「バーカ、そんなの知ってるよ。ことちゃん」
そう言って顎を私の肩に乗せる。
一番気にしていた事実を、だからどうなんだと事も無げに一蹴されてしまう。
「早く返事ーー」
そして、それが嬉しくてたまらない私を急かすちぃくん。
もう、そんなのとっくの昔に決まってる。
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