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「ねぇ、ちぃくん」
「何?」
「あの、も、もう一回」
「え?」
「もう一回だけ、ぎゅ、って」
「……」
「いや、忘れて! ご、ごめんなさいっ」
「――ことちゃんって、さ」
「?」
「俺を試してるの?」
「た、試す!?」
「ぷっ、何でもない」
そう言って、ちぃくんは私の指の間に自分の指を滑り込ませて――私の手をぎゅっと握りしめた。
「あ、あの」
ぎゅ、の意味が違うんだけど、なぁ……
「今のコトちゃんには、これだけ、ね?」
ふわりと笑う中に、どこか意地悪な表情を含んだ顔で見下ろされると私の顔は熱くなる。
私が『今のコトちゃんには』っていう単語に気が付くのは、もっと、ずーっと先の話。
end
小話、お粗末でした。
これくらいのお礼しか出来なくて、申し訳ありません(>_<)
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