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あたしは、ひとりで生きていた。
別に、苦だと感じたことはなかった。もともと、ひとを信じたくとも、愛したくとも、実際にはそれができない性分だったから。
裏切られて、傷付いたり不快な思いをさせてしまうよりはずっとマシ。
家族も友達も恋人もいらないし、臆病だから、出来る限りひとと関わりたくなんかない。
結婚もしなくていいし子供もいらない。
きっと、これから先も永遠に、他人を拒み続けて生きてゆく。
そう、確信をもって、日々をただ過ごしていた。
あたしの眼には、冷たい静寂の世界しか映らなくて。
………死ぬまで、ずっと、孤独だ。
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