白い彼岸花

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   『星月夜』 理屈じゃないよと 空を見上げた 幼きころに見た 赤い月を 怖いね 怖いねと 現象さえ知らない 幼き夏を リゲル ベテルギウス シリウス プロキオン 懐かしい星々 いつの冬からか 見なくなっていた 月の消えた都会にも まだ見える輝きで 私を 瞬きは 行くことさえ 叶わぬ遠き場所から 届くもの 意味などない 知ることもできない場所に 思い馳せる 届かないなら ないのと同じ 見えるなら 何か意味はあるの 見えるよ 暗闇を貫く点々たち 星ぐらいでいようか 近くて明るいと 喰われてしまう 限りなく遠くで あなたを見ていよう 必要とされないなら いないのと同じ 星のように
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