夜道

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まぢ疲れた…。 残業で遅くなり 何とか最終電車に飛び込み 最寄り駅までたどり着いたおれは、 通い慣れた道をヨタヨタと歩いてた。 毎日こんなんじゃ 身体がもたねぇ… 自宅までの道のりが永遠と続く気がしてきた。 ああー。だりぃ… 早く帰って風呂浴びて寝たい。 コツコツコツコツ。 後ろからヒールの足音が聞こえてきた。 こんな真夜中に女1人であぶねーなぁ。 ちらっと後ろを見た。 夜道が暗くて よく見えねーや。 コツコツコツ… 足音が早くなった。 こんな真っ暗闇じゃこぇーもんなぁ。 コツコツコツコツコツコツ どんどん速度が上がる。 もう、すぐ後ろまできてる。 コツコツコツコツコツコツ おれを抜かしてくか 少し速度を落として女が通り過ぎるのを待った。 コツコツコツコツコツコツ ……? すぐ後ろに足音が聞こえるのに いつまでたっても おれを追い抜かさねーな… 今振り向いたら 驚かせちまうかな コツコツコツコツコツコツ けど気になる…。 よし、振り返ってみよう。 おれは思い切って 後ろを振り返った。 …………いない…? そこには女どころか誰もいなかった。 まさかっ!? だってあんなすぐ後ろに足音聞こえたじゃねぇかよ。 気のせいとかじゃねぇよな? それとも… 疲れすぎてんのか、おれ。 ふぅーと大きなため息をついて また前を向き歩き出す。 コツコツコツコツコツコツ ……!!!!!? 今度は勢いよく 後ろを振り返った。 …やっぱり誰もいねぇ。 なんか気味わりぃな 少し速度を上げて歩き始めた。 コツコツコツコツコツコツ またすぐ後ろでヒールの足音が聞こえる。 おれは怖くなり駆け出した。 なんなんだよ!?一体!! 必死に夜道を走った。 すぐ後ろであの足音が聞こえる。 「た、助けてくれぇ!!」 おれは我慢できずに叫んだ。 「‥お客さん!!着きましたよ」 誰かに肩をゆすられた。 あれ? 目をあけると いつも乗る通勤電車のシートに座りこんでいた。 目の前には駅員がおれに話しかけていて… なあんだ、夢か。 どうやら帰りの電車で変な夢を見ていたらしい。 たく(笑)バカだな。 1人笑った。 駅からいつもの帰り道を歩く。 とそこへ… コツコツコツコツコツコツ ヒールの足音が聞こえてきた。 冗談じゃねぇ!! おれは一目散に逃げ出した。
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