紅の涙痕 I

39/39
976人が本棚に入れています
本棚に追加
/341ページ
「大丈夫だ。クーニャが恐がる必要はないよ。私が全力で命尽きるまで守ろう。一緒に来てくれないか?」 凛と響いたその声は、言い聞かせるというよりは決意のように洩れる。 眼差しは強く、紫の瞳が光で揺れるのが綺麗に思えた。 「……うん。わかった、行く」 どうやら、話はついたみたいだ。 今度は俺達がどうするか選択するする番。 クーニャと呼ばれる、金髪赤目のエルフは準備を始めたみたいで その姿を見ていた、紫のエルフが俺達の元へ来ては小声で話し出す。 「改めて礼を言わせてくれ。助かった、ありがとう。それでもしよければなんだが、君達にも無管轄エリアまで同行してくれないか?」 おぉ、これで一緒に行くことになるのね。 なるほど、なるほど、楽しくなってきた。 「なら、一緒に───── 「俺達を信用していいわけ?ドワーフ側の仲間で、同行中に二人を捕まえて連行とか考えないのか」 俺の言葉を遮り、陸斗がうっすら笑みを浮かべてる。 何故こんな挑戦的なんだよ。 戦うことになったらどうするんだ、ってかこのままイベント終わったらどうしよう
/341ページ

最初のコメントを投稿しよう!