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「それでは、新入生が入場します。大きな拍手でお出迎え下さい!」
―――パチパチパチ……
今日は入学式。
私、今崎未来は緊張の面持ちで体育館に入場する。
なぜかと言うと……。
「それでは、新入生代表から挨拶をしてもらいたいと思います。今崎未来さん」
「はい」
私は席を立ち、マイクが置いてある体育館の中央に立つ。
少し震えた手で、紙を持ちそれを読み上げる。
「桜が咲き誇る中、私たち320名は今日入学し……」
そう、入試の成績が優秀だったかなんだか知らないが、私は新入生代表の挨拶をする人に選ばれた。
文章は高校側が例みたいなものを用意してくれていたが、それをそのまま読むのもどうかと思い、私情を少し挟んだものを読む。
私は昔から縛られることが大っ嫌いで、何かと地味にではあるが自分の意見を言ってきた。
勉強も運動も人一倍努力してきたつもり。
ま、運動は苦手だけど……。
だからからか、友達もあんまり出来ずに、唯一の友達というか親友は龍ヶ崎夏希くらいだ。
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