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私の父親はこれまたもう最低な奴で、借金作って逃げ出して、ついには事故に遭って死んだ。
母はそんな父を恨みもせず、夜の仕事をして、今の家計を支えている。
正直、妹の未希もいるし、大変だと思う。
でも、母はそんな私たちを見捨てることもせず、大切に育ててくれている。
だから私は一生懸命勉強して、特待生がとれて、条件のいいこの私立を選んだ。そして、見事特待生になれた。
正直、公立はこういう制度はないから、家(うち)には苦しいのだ。まあ、他の所でお金は掛かってくるんだろうけど……。
(まあ男は信用ならないし、早く自立して稼いでいかなきゃね。お母さんや未希の為にも)
私は心の中で呟く。
お母さんは今日も仕事で、疲れて朝から昼まで寝ているので、入学式には来ていない。
ちょっとは寂しいと思うが、私はこれから始まる高校生活を勉強に捧げようと心に誓う。
(勉強頑張って、いい大学行って、お金稼ぐぞー!!)
私は手にぐっと力を入れて、気合いを込めていた。
―――これからする恋なんて、考えもせずに……。
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