第一話 掟と由来

3/71
前へ
/72ページ
次へ
???「はぁー!今日はいつも以上に晴天だわ!」 空に向かって背伸びをしながら、ある少女はある木と話をしていた。 ???「お前なぁー、いい加減ここ来んの止めたらどうなんだ?」 その木とは、如月家代々受け継がれてきた掟の木で… ???「いやよ!私はお父様に叱られたって、怖くもなんともないもの!」 いつも掟に反し、如月信一郎の娘、如月詠美(ヨミ)は木に近づいている事で、その度に信一郎に叱られていた。 ???「違う…俺が言ってるのは叱られる事ではない。」 木から発せられる声は深く溜め息をすると、詠美に釘を刺すかのように 木「お前がここに来る度に、傷が増えてるだろう? 絶対、ここに来たことで信一郎に『大馬鹿者!』とか言われて、叩かれてるんだろう?」 初めてここに来たことがバレたときは、詠美の右頬が赤く腫れ上がっていた。 その時は蜂に射されたと、分かりやすい嘘で誤魔化していたけれど…。 詠美は、ここに来るのを止めなくて、日に日に傷が増えていった。 そして今日も…、 詠美「これは、こけただけよ…。」 と、分かりやすすぎる嘘を付くのだった。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加