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???「はぁー!今日はいつも以上に晴天だわ!」
空に向かって背伸びをしながら、ある少女はある木と話をしていた。
???「お前なぁー、いい加減ここ来んの止めたらどうなんだ?」
その木とは、如月家代々受け継がれてきた掟の木で…
???「いやよ!私はお父様に叱られたって、怖くもなんともないもの!」
いつも掟に反し、如月信一郎の娘、如月詠美(ヨミ)は木に近づいている事で、その度に信一郎に叱られていた。
???「違う…俺が言ってるのは叱られる事ではない。」
木から発せられる声は深く溜め息をすると、詠美に釘を刺すかのように
木「お前がここに来る度に、傷が増えてるだろう?
絶対、ここに来たことで信一郎に『大馬鹿者!』とか言われて、叩かれてるんだろう?」
初めてここに来たことがバレたときは、詠美の右頬が赤く腫れ上がっていた。
その時は蜂に射されたと、分かりやすい嘘で誤魔化していたけれど…。
詠美は、ここに来るのを止めなくて、日に日に傷が増えていった。
そして今日も…、
詠美「これは、こけただけよ…。」
と、分かりやすすぎる嘘を付くのだった。
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