結構余裕そうですが、主人公遅刻してます。

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情けない。同年代の女の子に朝飯を横領されるとは……。 でも、しょうがない。 怖いんだよこいつ。 精神的、物理的にも脅された訳でも無いのに、異様に恐ろしいのだ。 なに考えてるかわからない顔。 人は、得体の知れないものに対して恐怖を抱く生き物だと、どっかの誰かさんが言ってた気がする。 防衛本能みたいなものだと思う。 正直、これ以上関わりたくない。一刻も早くこの場を離脱したい。 あわわ~!もう駄目ぇ!先に離脱するよぉ~! とある蛙の台詞が頭に浮かびつつ、自分は怖ず怖ず口を開こうとするが。 「ん?」 「……やっぱり剥がしにくい」 相変わらず角張った表情そのままに、ゴミ香(仮名、ゴミの香りとか御免被る)はあんパンの包装一部分を指で引っ掻いている。
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