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「取り敢えず、自分今絶賛遅刻中なので、な?」
「放課後、付き合ってくれる?」
「おーおー付き合ってやるよ、そいじゃ!ぐぇっ!」
また襟を……。
「なんなんさ!?」
「待ち合わせ場所は?」
「え、えーと、そうだな」
帰る時に遭遇しそうな場所は駄目だ。万が一にばったりという場合もある。
「裏門で」
自転車通学者がお世話になる所だ……が、自分は徒歩通。
ふふふ、貴様がバカ正直に裏門で待っている間に、自分はさっさと表門からとんずらさせてもらう!
「……裏門、ね」
律儀に鞄からメモ帳を取り出して書き込んでいる。随分と真面目なものだな!優等生アピールはよせ、自分のお前に対する印象は、既に『ゴミ女』『鉄仮面』で凝り固まっているのだ。
メモ帳をしまう鉄仮面に手を上げながら背を向ける、今度こそ逃走成功だな。
やれやれ、新学期早々えらい目に遭ったもんだ。
「はぁ、全く……」
「…………」
携帯で時間を確認する。思ってたより時間が経っていて、慌てて駆け出す。
明日筋肉痛だな多分。
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