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「うーん、とは言っても……お?」
「な、なんですか?」
御仁は視線をあんパンと牛乳が入った袋に向けて来た。
ふ、ふんだくるつもりか!?やらせはせん、やらせはせんぞぉ!
「……ちょっとその袋、改めさせてもらえないかな?」
「え、ちょ、ちょっと……だ~ぅ」
返答する間もなく、袋を奪われる。なんとも情けない。
彼女は即座に袋の中身を確認し出す。
「……刑事さん?」
果たして刑事が学生服を着て、スクールバッグ装備をするような事態なぞ起こり得るのだろうか。自分的にはやたらでかいコートを羽織って、襟を立てて、電信柱に身を潜めている印象なんだが。
「憧れたことはあります」
格好いいもんね。太陽に吠えろ。
「……頼みがあるの」
二、三言話しただけで頼みだと?な、何たる図々しさ。
「まさか、自分の朝飯を……」
袋を指差す自分、頷く彼女。
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