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――…
『準備はどうなってるの?』
『………』
サァーッ…
荒れた地に風が砂埃を舞わせる‥
『憎たらしいアイツのせいでアダムは死んでしまったわ…』
美しい長い金の髪が風に弄ばれる
『だけど、生き返らせる方法はいくらでもあるわ――…
そうでしょ?
赤髪の君、ヴァン神族の王 クヴァシル…
くすっ
それとも、こう呼んだほうがいいかしら?
”初代カリヤ”』
『ねぇ… あなたは 誰の味方?』
その問いに歪んだ口が開く
『――… マダム。全ては… イヴ様の仰せのままに――』
片膝をつき、赤い髪の青年は差し出された手に忠誠を誓う口付けを落とす-
その顔には禍々しい黒い蔓のような黒い入れ墨がじわじわと蝕むように浸蝕していた。
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