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―ガタンゴトン、ガタンゴトン
今、私は電車に揺られている。
仕事先が東京に決まり、かつての博多から離れることになった。
実家は貧乏で、私の仕事先が東京に決まった時は反対にあった。
しかし、父親が信頼している男性が唯一東京に住んでいるらしい。
そこで、アパートを借りずに泊めてくれるらしい。
こんなにおいしい話はないので、その男性の気が変わらぬうちにと早いうちに上京した。
(やっと最寄り駅に着いた…。)
私はそこから男性が住んでいる家までの地図を開いた。
―ドンッ!
「…あ…、すみません…。」
こんな人混みの中で立ち止まったせいか、誰かと肩をぶつけてしまった。
??「…ったく、こんなとこで立ち止まってんじゃねぇよ。」
「…んなっ…なっ…」
(何この人ー!)
(初対面でこの態度とか普通有り得ないでしょ!)
??「なんだよそのアホ面は。」
「あ…アホ面!?」
??「本当のことを言ったまでだろ。」
(…もう、アッタマきた!)
「大体ね、おかしいですよ!
なんで見ず知らずのあなたなんかにアホ面呼ばわりされなきゃいけないんですか!」
??「ギャーギャーうるせえ女だな。
俺はお前みたいな暇人と付き合ってる暇ねぇんだよ。」
そう言うと、嫌味な男性は去っていった。
(なにあの人…
東京ってああいう礼儀知らずな人ばかりなの?)
私は朝から物凄い嫌な気分になっていた。
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