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細い体かと思えば
近くで見ると
ゾッとするほどの筋肉の
付いた体は
酷く汗で濡れていた。
「(俺は一体何なんだっ!!)」
声にならない声を発し
立ち上がる。
そして何度も何度も
自分の体を傷付ける。
両手、胸、顔。
殴り掻き毟り体中からは
赤い血が滲み出る。
「(はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・)」
「オート治癒機能開始シマス」
どこからともなく聞こえる
機械から発せられるような
電子音。
瞬く間にその青年の傷は
回復してゆく。
「(もう少し・・・もう少しだけ・・・)」
薄れ行く意識の中
青年は澄んだ蒼い瞳を
閉じたー
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