第ニ章

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第6の町ー 郊外 「・・・んんっ・・・。」  茶褐色の肌に黒い短髪の いかにも好青年という感じの 青年が薄い布団とも呼べない 布の上で眠っている。  するとそこへ 「おい!チャン!!起きろ!」 「・・・どうしたの?」  青年は眠たそうに目を こすりながら返事をする。 「暴動が起きた!」  さっきまでのあどけない顔が 嘘のように目を見開き チャンと呼ばれる青年は 悲しそうな表情を浮かべる。 「そんな事をやっても僕達の生活は変わらない!何でそれが 分からないんだ!」  そう言うとチャンは 上半身裸に短パンの格好で 勢い良く飛び出して行く。 「(何で皆笑ってくれないの?生活は苦しいかもしれない。でも皆が手を取り合って毎日過ごせる。これだけじゃ駄目なの?)」  瞳を若干潤ませながら チャンは何処へともなく 走って行く。 まるで何処に行けば良いのか 分かっているかのように・・・。
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