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そこまで一気に言い切ると、TAKAKOは今度こそコーヒーを口に運んだ。
「何かご質問は?」
「ちょ、ちょっと待ってください」
朝倉もコーヒーに手を伸ばすが、こっちは飲み干す勢いだ。
質問?
何から聞けばいいのか、分からないほど有る。
タレント本人が現れたのは首実検だったのか?
気に食わないマネジャーは嫌だから、直々に偵察に来たとか? そんなことするタレント普通いないぞ。
「あの、気分の良くない質問かもしれませんが、つまり責任を感じて自分のところで引き受ける。みたいなことですよね?」
TAKAKOは少し考え込んだ。口を尖らす仕草は、先程までに比べれば歳相応。普通の女の子に見えなくもない。
「完全否定しても嘘っぽいですよね。でも、概ね違います。真矢は専属マネジャーが要るほど仕事をしていませんし、収入も事務所維持に余裕は有りません」
「いやいや、それだと俺を雇うのは尚更お荷物でしょ」
既にメッキは全て吹き飛んだが、気にしないことにした。この人、言ってることが滅茶苦茶だ。
「はい。私も最初、他を紹介できないかと思っていました……今日、テレビをご覧になりました?」
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