アクセプト

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バレてただと? 嘘ぉー? だって普通の変装じゃないぞ。 原型が分からないくらいに盛りまくって塗ったはずだ。鏡を見たら、自分でもギョッとするバージョン。 「も、もしや心眼をお持ちで」 必死の返しだ。事前準備が裏切られた今、私に出来る上限に近い。 「いやぁ、まず座りませんか」 相変わらず笑い続ける朝倉さんは、再び椅子を指して自らも元の椅子に腰掛けた。 円卓には椅子が2脚しか無い。 私は室内に入って直の椅子に腰を落とす。 ほぼ茫然自失。 笑うのを止めた朝倉さんは、頭を掻くと種明かしを始めた。 「聞こうとしなくても、車内での電話は聞えますから。堕天使は好きですし、続けざまに3人も名前が挙がれば『ん? 何だっけ?』と、なります」 電話……あああー! たかこちゃん。雅に遥。 言われれば口走った気はする。 「加えてあのマンション。トップ・キャバ嬢の収入はスゴイんだろうけど、アソコは……どうなんでしょう。よく知りませんが」
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