688人が本棚に入れています
本棚に追加
バレてただと?
嘘ぉー? だって普通の変装じゃないぞ。
原型が分からないくらいに盛りまくって塗ったはずだ。鏡を見たら、自分でもギョッとするバージョン。
「も、もしや心眼をお持ちで」
必死の返しだ。事前準備が裏切られた今、私に出来る上限に近い。
「いやぁ、まず座りませんか」
相変わらず笑い続ける朝倉さんは、再び椅子を指して自らも元の椅子に腰掛けた。
円卓には椅子が2脚しか無い。
私は室内に入って直の椅子に腰を落とす。
ほぼ茫然自失。
笑うのを止めた朝倉さんは、頭を掻くと種明かしを始めた。
「聞こうとしなくても、車内での電話は聞えますから。堕天使は好きですし、続けざまに3人も名前が挙がれば『ん? 何だっけ?』と、なります」
電話……あああー!
たかこちゃん。雅に遥。
言われれば口走った気はする。
「加えてあのマンション。トップ・キャバ嬢の収入はスゴイんだろうけど、アソコは……どうなんでしょう。よく知りませんが」
最初のコメントを投稿しよう!