アクセプト

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半分ウワノソラ。 テーブルクロスを見つめる私。 どうする? 逃げるか! いやいやいや。あやまりに来たんだろう? 頭は自然に下がった。 「ごめんなさい。私のせいで」 判決を待つ被告人の気持ちが、少し分かった気がする。 はたして朝倉さんは、小さく笑いながら視線を私に向ける。 「気にしないでください。ほぼ弓裏さんと関係なく、俺が暴発して辞めただけです」 「……?」 黙って見返すと、朝倉さんの視線は私を通り越し、少し高い所に向いたようだ。 入室して来る人の気配がする。 「お揃いになられたようですし、始めさせて頂いて宜しいでしょうか?」 背後から肩越しに、ワイン・リストがテーブル上へ。 私はビール派だ。 ワインなんて分かるものか。 「コ、コレを」 適当に1番上のを指す。 「白? 白を選ばれるのですか?」 「あ、やっぱコッチ」 「そちらは、お料理に合わないと存じますが」 き、貴様…… 「お客様には、コチラなどいかがでしょう」 ドン 丁寧かつブッキラボウな発言と共に、テーブルに置かれた1本のボトル。 何だよ。お勧めが有るなら最初から出せよな。 しかし随分と色の濃い……ナニナニ?
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