688人が本棚に入れています
本棚に追加
/554ページ
今回、朝倉は一種やりきれない想いに襲われて、日本を発っていた。
前日に北海道から遥が合流し、行われた音合わせ。短時間のセッション。
ドラムは簡易的な打ち込み。
リードは歌いながらの真矢。
ベース嵩子、サイド遥。独自に練習を再開したとは言え、事実上引退していた2人。
まだ時間は有る。
始まったばかりじゃないか。
そう自らに語りかけながらも、奏に大きな期待を抱いて、今日この会場にやって来た。
解散以降の5年間を、ブランク無く過ごしているはずの天才ギタリスト。
海外での評価も高い。
『違ったのか』
職種。生業が違うのかもしれない。バンドメンバーとセッション・ミュージシャン。
後者を選んだからこそ、奏の成功はあるのかもしれないな。
最初のコメントを投稿しよう!