旋律は春雷の如し

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今回、朝倉は一種やりきれない想いに襲われて、日本を発っていた。 前日に北海道から遥が合流し、行われた音合わせ。短時間のセッション。 ドラムは簡易的な打ち込み。 リードは歌いながらの真矢。 ベース嵩子、サイド遥。独自に練習を再開したとは言え、事実上引退していた2人。 まだ時間は有る。 始まったばかりじゃないか。 そう自らに語りかけながらも、奏に大きな期待を抱いて、今日この会場にやって来た。 解散以降の5年間を、ブランク無く過ごしているはずの天才ギタリスト。 海外での評価も高い。 『違ったのか』 職種。生業が違うのかもしれない。バンドメンバーとセッション・ミュージシャン。 後者を選んだからこそ、奏の成功はあるのかもしれないな。
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