旋律は春雷の如し

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更にその翌日、奏の中継ぎでマネージメント・サイドの人間と会った朝倉は、無難に会談を済ませ、夕刻発の飛行機に乗り込んだ。 7月に来日する、奏のスケージュール調整。 チャリティで他のライブに参加すること。 事前に奏が動いていたらしく、問題らしい問題は無い。なにしろ本人が演ると言っているのだ。 契約書を作成し後日交わす。その内容確認を行った程度で、終始和やかに交渉は進んだ。 雨雲の下に見えなくなる街並を見下ろしながら、朝倉は奏の言葉に想いを馳せる。 「なぜ秘密に?」 「朝倉なら、近いうちに分かる日が訪れると思う。だから、お願い。みんなを助けてあげて」 なんだか……な。
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