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『お願い。朝倉』
奏の言葉が、朝倉の頭の中で繰り返された。
「すごかったですね。堂々としていて、周りからも一目置かれている感じ。天才なんだなって、再認識しました」
「そっかぁ」
嬉しそうに笑う真矢を見て、朝倉は思った。
『思い過ごしか。仲良いだろ』
「連絡したらどうです? 真矢さんの部屋ネットが無くて、連絡し辛いみたいでしたよ」
横目で朝倉の顔を窺(ウカガ)った真矢は、帽子を更に深く下げシートに寄り掛かった。
「そうだな。近いうちに、してみるよ」
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