旋律は春雷の如し

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「BUR―――N!」 擬音語は、そのまま絶叫へと変化する。 続くリフを入れ終わり、遥が唖然と振り向いた。 「真矢……どういう登場センス?」 「……さぁ」 はっきり言って、知らない人に説明するのは困難極まる。 室内ではパープルの代表曲が演奏されていた。分かる人だけズッコケルように。 とにかく今は、たかこちゃんに説教をしなくてはならない。 「くぉら、たかこ!」 「どうした」 「よくも私を除け者にしたな」 『やれやれ』 と、ため息を吐くたかこちゃん。 「あのな」 「おう」 「人間の喉が徹夜で叫べるか?」 「む、無理に決まっている」 「おまえ、身に覚えがあるよな?」 「うっ……」 「入院しなかったか? しかも2度」 「ぐっ……」 「分かったら、まず奏の音を確認しろ。バカチンが」 「はい……すいません」
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