旋律は春雷の如し

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くそぉ、納得がいかん。 何故に、こうなる。 やや遅れ気味に、朝倉さんが入口に現れた。 「おはようございます。コレ、差し入れ。朝飯まだですよね?」 サンドウィッチ、オニギリの類が2人の手に渡る。 「さすが朝倉さん。気が利きますね。誰かと違って」 聞き捨てならん発言だ。 朝倉さんがコンビニで食い物。その間に隣のドラッグ・ストアで、私が飲み物を調達した。 「あー、アサクラ君。このバカドモに、私からの差し入れも見せてやりたまえ」 渡される金色と黒の箱。 「心して飲みたまえ。1本4千円のヤツだ」 おにぎりを片手に、たかこちゃんが手の平で箱をポンポンする。 「まぁ……もらおう」 更に朝倉さんが、床に瓶を並べ始めた。 「赤マムシ、蜂の子、スッポン、オットセイ……コレ、方向性が違いません?」 …… 「自販機でお茶買って来る」 「遥、私はコーヒーがいい」 何故だ、何故こうなる!?
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