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「実はあまり時間が取れなくて、お言葉に甘えて本題に進んでも?」
「ええ、全然良いですよ」
コーヒーカップは戻された。
「朝倉さんは英語が出来る」
まるで独り言。
疑問形のようでもあり、断定しているようにも取れる言い方だが、おそらく調べてあるのだろう。
「日常的な会話は、出来ると思います」
「朝倉さんはタレントを扱う仕事に慣れている」
「少し違います。映像制作系の営業でしたから、相手をするのはマネジャーか、先方の営業部署です」
想定した答えだったのだろう。
TAKAKOは頷き、ズバリ依頼を口にした。
「弓裏真矢のマネジャーを引き受けて頂けませんか」
「……は?」
「嫌でしょうか? 迷惑を掛けた張本人ですが、悪い奴ではないんです。とても気にしていました」
「……はぁ」
「残念ながら先の保証はできません。長いかもしれませんし、半年程度かもしれません。でも、業界での就職を考えるなら、足掛かりにはなると思います」
「えーと」
「契約期間の給料は弾みます。住む所も準備しますけど、予定では、無茶な忙しさになります」
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