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…最後に見たのは、
君の哀しそうな笑顔だった。
――――――――――――…
そして
僕は16になった。
長い長い、短い短い年月が
経った。
“東京に行く。”
それが今の僕の目的。
過去を全部捨てる為だ。
勿論、“君”も捨てる。
“お前も捨てるよ。”
“…別にいいよ。”
最後の、最後に。
16年間過ごした家にさよならする時。
君の写真にそう呟くと、
君はそう返して、笑った気がする。
ただ哀しく、優しく。
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