第一章

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数え切れないほど沢山の男に抱かれた。 最初は泣きたいぐらい嫌だったここは… あちきの家だ。 逃げることが許されない吉原。 逃げて、捕まり、縛り付けられ、死に際までなぶられる。 それにも慣れた。 それ以上に… 自分を隠し、男を立てることが出来る。 そこらの安い女よりいい女でありんす。 化粧もできる。 家事だって、この店の雇いの八衛助にこっそり教えてもらった。 なのに… なんで 身請け話が無いんでありんしょう。 「華火花魁…志賀元三郎様でありんす。」 「………………いれておくんなし。」
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