幼少期~

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母と姉たちは、足音をたてずにゆっくりと私が寝ている寝室にくる。 私の耳元で母は、「迎えにくるからね」と一言いい、足音を立てずに玄関から外に出ていった。 私がここで泣き叫んで連れていってと言っても無理だ。「あなたはお父さんに愛されてるから大丈夫」と言っていつも私1人にされた。 家の外から車のエンジン音が聞こえる。 私は父が起きないか怖くなり、少し開いたふすまからそっと覗く。 父は、こたつの中で大の字になり、イビキをかきながら寝ていた。 私はほっとため息をつく。 そのうち、車のエンジン音は、だんだん小さくなり聞こえなくなった。 ここからが私の恐怖が始まる。
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