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学校を休んだ友人に、担任から頼まれたプリントを渡しに来た日のこと。
呼び鈴を鳴らそうと、玄関にあるボタンを押そうとしたその時、ガラスの割れる音が耳に入った。
急いで庭に回れば、血まみれの弟くんの姿。
謝れ、と詰め寄る彼と、無言無抵抗の彼の弟。
「なにやってんの!」
大声を上げて、友人に飛びついた。
途端に大人しくなる友人。
顔を青ざめさせ、ぼくと弟くんを交互に見る。
ぼくには見られたくなかったらしい。
友人を宥めるように肩を叩く。
その僅かな間に、弟くんは姿を消していた。
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