義兄の友人(1)

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 弟くんは、本当に姿を消してしまった。  断崖に、靴と遺書を遺して……  そこは有名な自殺の名所。  そこから身を投じれば、十中八九遺体は上がらない場所。  警察は、三日で捜索を打ち切った。  誰も、悲しまなかった。  彼の義母も、彼の実父も。  まるで他人事のように、興味なさげだった。  生きていれば、いつかは帰ってくるでしょう、と。  彼もまた、見つけたらただじゃおかない、と拳をかためる。  生きている事が前提の、その台詞。  それは生きていて欲しいと言う希望?  それとも……
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