ーRedー

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キスをした日以来、俺は彼を避けるようになった。 恥ずかしくて、勿論気まずさもあって。 それになにより恐ろしかったのだと思う。 親友と…“男とキス”して、それが“気持ち良い”なんて。 訳のわからない性衝動に、支配され飲み込まれてしまいそうな自分が、とても怖かった。 すべて忘れたくて、すべて無かったことにしたくて。 幼い俺はあの人の存在を世界から消そうとした。 別々の高校へ進んで、一切の連絡を断ち。 あの人と離れることで、俺の恐怖は徐々に薄れていった。 それなりの大学へ行って、それなりの会社へ就職して。 俺の何がいいのか知らないけれど、女性には不自由しなくて。 .
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