黒猫,出逢うこと

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「くそっ……」 小さく呟くと,ひどく痛む頭を振った。 天気が崩れたせいで俺の頭は割れるのではないかと思ってしまうほど痛い。まるで,金槌で中から思い切り叩かれているようだった。 雨が来るたび俺は体調を崩す。 一種のトラウマのようなものらしい。 それほどに,俺は雨に嫌な思い出を持っている。あの事件が起きるまでは,好きだったはずなのに。 いや,雨が好きと云うよりは晴れが苦手だったと云った方が正しいのかもしれない。 俺は常人よりも肌が弱いせいで,長時間外にいたり真夏日に太陽の光を浴びてしまうと,次の日は全身真っ赤で動けなくなるのだ。 全く嫌な体質を持ってしまった。 ふと校舎にかけられた時計を見れば既に終わろうとしている時間。 「やば」 早く教室に行かなければ。 入学して早々目をつけられるのは面倒くさい。 俺は,平凡な学園生活を送りたいのだ。面倒ごとは避けるに限る。 .
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