黒猫,出逢うこと

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「あれ?」 首を傾げる。 「おかしいな。確かこっちだったような気が……」 うろ覚えの校舎の見取り図を思い浮かべてみるが,肝心なところがあやふやで余計に混乱する。 だから勘を頼りに歩いていた。 そして同じところをぐるぐると回っていることに気が付いた。 いや,実際気のせいだったら嬉しい。だってこの校舎,無駄に金遣いすぎだし同じような装飾がされてる。 これは道が分からなくなっても仕方ないだろ。 つかドアノブに金かける余裕あんなら,廊下のあちこちに地図を作れよ。 これだから金持ちは。 はぁっとため息をついた。 もうどうしようもなくて泣けてくる。 出来ればその辺に堂々と,かつ場所を知っている生徒が寝転がっていたら,と思う。そんな都合のいい話はないだろうけど。 .
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