112人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
「あれ?」
首を傾げる。
「おかしいな。確かこっちだったような気が……」
うろ覚えの校舎の見取り図を思い浮かべてみるが,肝心なところがあやふやで余計に混乱する。
だから勘を頼りに歩いていた。
そして同じところをぐるぐると回っていることに気が付いた。
いや,実際気のせいだったら嬉しい。だってこの校舎,無駄に金遣いすぎだし同じような装飾がされてる。
これは道が分からなくなっても仕方ないだろ。
つかドアノブに金かける余裕あんなら,廊下のあちこちに地図を作れよ。
これだから金持ちは。
はぁっとため息をついた。
もうどうしようもなくて泣けてくる。
出来ればその辺に堂々と,かつ場所を知っている生徒が寝転がっていたら,と思う。そんな都合のいい話はないだろうけど。
.
最初のコメントを投稿しよう!