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「あーもう,くそっ!」
俺は一度外に出ると,そこら辺に捨ててあったペットボトルを力任せに蹴飛ばした。
金持ち学校なんだからこれくらい回収しとけよ。
さっきからの頭痛も伴って不機嫌度はMAX。元の形すら留めていないほどひしゃげ,空を飛んでいくそれを苛立ちながら見送った。
そして――。
「……あ」
ゴン。
「…………」
あれ? 何か今鈍い音がしたような。
空耳? 幻聴? それともただの俺の勘違い?
あはは。
実は誰かがそこにいましたとかそんなオチはないデスヨネ。
ちょ,マジやめてくれ。
俺の平穏な生活が。
「……おい」
「うっわ最悪……」
何つーベタな。
今時の少女漫画でもこんな展開はなかったぞ。
あれか『事実は小説よりも奇なり』ってやつなのか,これは。……神様,何か俺に怨みでもあるんですか。それとも不満をぶつけているだけなんでしょうか。
……何の嫌がらせだよ。
泣きたいんですけど。
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