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リオンが剣を見ていると店主が近づいて来た。
「剣をお探しですかな?
これなどいかがです?
少し古びていますが、いい剣ですよ」
『――やめておけ』
「へっ?」
『貸してもらおうか』
「あ…」
『やはりな。
錆びていて使いものにならない。これでは何も斬れないだろうな』
「えっ!?」
「そうなのか!!?」
「マジかよ…」
『いろんな剣を見せてもらっていたからよく分かる。店主、これはどういうつもりだ?』
「それは‥‥」
店主はライトの気迫に圧倒され、焦って目を泳がせていた。
『リオン、これなんていいと思うぞ』
「短いような…」
『剣は長ければいいというものでもない。
切れ味と持ち主との相性だ。リオンの背丈ならそれが丁度いいだろうな。
それにこれは宝玉で強化出来る剣だ。
成長に合わせて強化すれば良いだろう』
「うん、今までの剣よりいいよ! これを買うことにするよ。ライト、ありがとな!!」
『どういたしまして。
店主、僕達は学生だから分かるよな…?
まぁ、錆びた剣を売ろうとしたと評判が落ちてもいいのなら別だけどな』
「うぅ、分かりました…
それだけはどうかお許しください‥‥」
ライトの脅しでリオンは本来の金額の半額以下で新たな剣を手に入れることが出来た。
「ライト、俺も!」
「あっ、ずりぃ!!」
『分かった、分かったから。そうだな‥‥』
体格を見ながらライトは2人の剣を選ぶ。
もちろん2人の剣も半額で手に入った。
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