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ライトは微笑みながら空を見上げていた。
(父様、僕は仇を…。
けれど、決して闇には染まらない…!
皆の無念を晴らす為に。
見ていて――)
ライトの周りには風が吹き荒れる。
『あっ、やば…ι』
魔力が溢れ出たようでハッとしてライトは魔力を抑えた。
「ライト、今のは…」
「魔力、だよな?」
『抑えてるからね。
そろそろ放出しないと暴走するかもな』
「そんなサラリと…ι」
『あぁ、大丈夫。
暴走したことないから』
「だったら、いいんだけどさ…」
「それより、剣を教えてくれよ!」
『嫌だ』
「何でだよ!」
『面倒だから』
「ひ、ひでぇ…ι」
『酷くて結構!』
「グレイ、まだ諦めてなかったのか…」
「魔法の次は剣かよι」
ライトはグレイを無視しながら空を見上げる。
微かに声と風の音が聞こえた。
『あれは‥っ‥
危ない!!
光の壁っ!』
ハッと気づき、ライトは広場に結界を張った。
『うっわ…!』
「ライト!!」
「だ、大丈夫か!?」
「怪我は…」
ライトの体は強風で飛ばされたが、木にぶつかりそうになった寸前で誰かがライトの体を支えた。
ライトと同じ銀色の髪をしており、その長い髪を風になびかせながら金色の瞳で鋭く誰かを睨んでた。
ライトにも劣らない美貌な容姿だった。
「主、怪我はしていませんか?」
『あぁ、助かったよ。
ありがとう』
ライトはそう言って離れた。
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