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ライトは視線に気づいて苦笑いした。
『僕の守護神の光龍。
名はファイング』
「光龍!!?」
「龍が守護神なんて…!
聞いたことないぞ!!?」
『僕の家は特殊だからね。守護神も強くなくてはならない。聖なる力を持つ動物が守護神になるんだ』
興味津々でファイングは見つめられていた。
「主、あれは放っておいてもいいのか?」
『あ…』
広場に龍に乗った少年が倒れていた。
どうやらまだ未熟な龍使いのようだ。
龍が言うことを聞かずに落ちたらしい。
「おい、貴様等、主はもう少しで怪我をするところだったんだぞ!」
『ファイング、やめろ。
大丈夫か?』
「怪我の治療するよ」
『あぁ、頼むよ』
光の魔法でも治療は出来るが、聖の属性の方が正確で早いだろうとライトは口出ししなかった。
「ありがとうございます。ごめんなさい。
こいつが言うことを聞かなくて…」
「フン、未熟な者の言うことなど聞けるか」
「何だと!」
「――黙れ。
主に対しての行いは許せんな」
ファイングの金色の瞳が鋭くギロリと光る。
『ファイング、やめろ。
ほら、戻って…』
「‥‥御意」
渋々ながらファイングは戻って行く。
『言い争うのは勝手だが、時と場所を考えろ。
落ちるのは互いに未熟な証拠だ。僕の結界がなければ怪我人も出ただろうな』
痛いところを突かれて黙り込む。
『騒ぎになる前にもう行け。騎士団が来れば厄介だ。ほら、早く行け!』
少年は頷き、龍も黙って素直に飛んで行く。
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